プロジェクトヒストリー

小型化と低騒音化を両立したMDシリーズ

ミニショベルは、都市土木に欠かせない小型建機です。

深夜に響く作業機の音でひときわ気になる油圧音、その発生源となるのが作業機の心臓部である油圧ポンプです。人間の心臓と同様、ミニショベルの手足となる油圧シリンダや走行モーターに油を供給しています。そのポンプを、いかに静かに安定して作動させるかが、我々の課題でした。

KANZAKIの油圧ポンプMDシリーズは、その低騒音化に効果があるとされるクレイドル斜板方式を採用しています。また、この方式によりコンパクト化を図り、ミニショベルの特長である超小旋回の追求に寄与しています。

更にご紹介したいのは、ミニショベル用ポンプとして唯一、トルク制御構造を採用している事です。
トルク制御とは、圧力Pと吐出流量Qの積を一定に保つことにより、エンジン出力を最大限有効活用できると同時に、過負荷にエンストを防止できる制御です。

この技術を採用するにあたっての問題は、使用時間の経過とともに、流量を決定する斜板の作動が遅れを生じる事でした。(負荷上昇に伴い、流量が減少していかなくなり、エンストが頻発する。)
その解決手段として、独自に開発したのが、前述のクレイドル斜板支持方式(当社呼び名;第二支点方式)でした。下図の通り、ポンプ内に充満する油を使い、また、特別に新規部品を構成することなく、大きさもそのまま、搭載性は変わりません。

ミニショベル用油圧ポンプのコンパクト化と低騒音化を両立させる解決策がここにあります。

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